言いにくいことをスムーズに伝える  部下指導のコツ

人材育成

「部下に対して改善して欲しい事、やめてほしい事をどううまく伝えていいのかわからない・・・」

最近企業研修でお会いするマネージャーの方達からよく聞く言葉です。

誰でも一度はそのような経験があるのではないでしょうか。

特に、部下を指導する立場の上司やマネージャーの方は、厳しいことや、言いにくいことを面と向かって部下に伝えなくてはならない場面が多いと思います。

改善して欲しいことをどう伝えていいものか?

指導する方法を考えあぐねているうちに、結局言うタイミングを失った・・・という事もあると聞きました。

一方で、多くの部下の人たちは、

「出来ている事も出来ていない事も教えて欲しい」という前向きな意見を持っています。

信頼できる上司は「良い所も悪い所も見て、伝えてくれる上司」との声も。

指摘して欲しい部下と、うまく伝えられない上司。

うーん・・・このすれ違いの状況。どちらの気持ちも理解でき、何だかジレンマに陥ってしまいますね。

今回は、部下に言いにくいことを少し伝えやすくする2つのコツをお伝えします。

指導のコツ1:事実と改善点を建設的にはっきりと部下に伝える

下記4点に沿ってハッキリと明確に伝える事が大切です。

あの~、えっと・・・の口癖も我慢です。


例:部下(Aさん)が業務をひとりで抱えてしまい、時間が掛かっている

❶ 今Aさんが一人で頑張ってくれている〇〇の案件の進め方だけど、少し時間が掛かっていて、他部署の作業にも遅れが出ているんだ。(事実とその影響)

❷ 今のスピードの半分を目指してやってくれないだろうか。

  そのために、他のメンバーにも業務分担して、動いて欲しいんだ。(改善策)

❸ そうすれば時間短縮になって、他部署の作業がスムーズに進むし、Aさんの素晴らしい分析力が他のメンバーにも伝わるから、周り人たちの成長にもつながると思う。そして、Aさんの空いた時間で、次のプロジェクトの企画を練るのに力を貸してほしいんだ。(改善した後の効果)

❹ どうだろう?(部下への意思確認)


指導のコツ2:部下に伝えた後も見守り、フィードバックを続ける

一度伝えたら、伝えっぱなしで終わりではありません。

部下に伝えた後もしっかりと観察し続け、フィードバックするが必要です。

端的に簡単な言葉で十分ですので、短いスパンで継続的に伝える事が大切です。


【フィードバック例1】

作業時間が短くなったね。他部署もスムーズに動けているようだよ。

※部下である担当者からは見えない事実=マネージャーの立場だからこそ見える事実を伝えるのもコツ!

【フィードバック例2】

なかなか改善ができていないようだね。どんな事が解決したらできそうだろうか?

※部下のやる気・理解度などの能力を指摘はしない。作業の課題点にフォーカスして表現をするのがコツ!


部下の指導に行き詰まったら考え方の方向転換を

この2つのコツを意識することで、部下への指導がスムーズになります。

そしてこの基礎にあるのは日頃から築き上げる部下との「信頼関係」です。

「これだけ言っても何故できないんだろう?できて当然でしょう?!」

この様な考えが浮かんだら・・・

大丈夫です。一旦ご自身の思いを正直に受け止めてください!

この考えを意識的に変えるために、自分自身に問いかけてみる。

上の例のように、人ではなく物事にフォーカスする問いです。

妨げているものは何か?何があればできるか?といったように、自身に問いかけてみながら考えを方向転換することを意識してみてください。

伝えることで部下との信頼関係がより高まる

皆さんも部下だった頃、「チームの主力メンバーとして、右腕として期待されているのだ」という責任感で、頑張ろう!と思えた記憶ありませんか?

立場が人を育てるとも言います。

部下の立場から考えても、上司が自分を信じて必要としてくれているからこそ、正直に真剣に問いかけてくる上司の言葉を受け止められるものです。

先ほどの2つのコツを意識して部下との会話をしっかりと行えば、部下とのより良い信頼関係が築け、お互い本来の仕事に集中できるようになります。

何より上司である皆さんの「あぁ、伝えきれなかった・・・マネージャーとしてダメだなぁ」というストレスが減ります!(これがおススメの1番の理由?!)

2つのコツを是非活用してみてください。

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