前回は質問の目的と基本的な2つのポイントをお伝えしました。
今回は相手(部下)の思い込みをはずす効果的な質問の方法についてお伝えします。
まずは質問の目的をもう一度確認してみましょう。
質問の目的とは…
部下・メンバーが自分で気づいていない点に気づき、新しい視点や考えを得る事
質問は相手の思い込みを取り払うのに適している
この「気づき」という言葉の中には、考えの歪みやクセ=思い込みをはずすという意味も含まれています。
「普通こうでしょ」「そうするべきだ」「今回もそうだろう」「あの人はきっとこうだ」etc…。
人は誰でも思い込みや考えのクセを持っています。これを「認知バイアス」とも呼びます。
意見が食い違って相手と衝突して初めてわかったり、事実を知った後に「あぁ、思い込みだったのか・・・!」と、そこでやっと気づくこともしばしば。
思い込みとは自分一人ではなかなか気づきにくいものです。
そして、誰からも言われることなく気づかずにいると、パフォーマンスが下がるのはもちろん、自分自身の成長もストップしてしまうリスクがあります。
(部下もそうですが、自分に置き換えてみても恐ろしいですね…)
では、相手の思い込みをはずすのに効果的な質問とは?
具体的な方法をご紹介します。
「もし~ならば?」と質問をする
コントのようですが、「もし~ならば?」と質問をするのが一番効果的です。
例1:苦手意識を持っている部下 『苦手なのでできません』
⇒苦手だという思い込みをはずす
(質問例)
「もし、それができるとしたら何ができそう?」
「苦手じゃなかったらどんなことにチャレンジしてみたい?」
例2:べき論が多く、行き詰まりを感じている部下 『するべきだと思います』
⇒べき論の思い込みを外す
(質問例)
「もし、それをしなかったとしたら何が起きそう?」
「やらないことでどんなメリットがありそう?」
「もし~できるなら?」の質問なので、最初は「え?できるなら悩みません…」といった答えが返ってくるかもしれません。
それでも、仮定・妄想でも話をしているうちに、不思議な事に、この思い込みが徐々にはずれてきます。
そして話していくうちに部下は「本当はこうしたかったんだ」という事に気づいていくのです。
自分が話したことを自分で聞き取り、受け止めていく「オートクライン効果」ですね。
質問は行動や考えを変えるコミュニケーション
思い込みだったという事に自分自身が気づくと、パッと視界が開けて、心が軽くなったり、新しいアイデアや解決策が浮かびやすくなるのは、皆さん経験でお分かりかと思います。
ブレイクスルー!!の気持ちよさですね。
相手から質問をもらって考え、気づきが得られるというのは、対話の大きな醍醐味でもありますね。
行き詰まりを感じて悩んでいる、なかなか動き出せずにいる、意識を切り替えたい、新しいアイデアが欲しい…。
部下に対してももちろんですが、自分自身がこんな状況の時、誰かにこの質問を投げかけてもらうのもおススメです。
是非この質問の効果を体験してみてください。
次回は、漠然としたものを具体化させる質問の方法についてお伝え致します。